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全日本プロレスの外国人ルートはマシオ駒の信用が決め手だった

全日本プロレス旗揚げに参加し、一時期はブッカーもつとめた佐藤昭雄氏が、久々に表舞台に登場して4万字のインタビューに答えたのが『Gスピリッツ Vol.25』。昭和プロレスの様々な新事実を明らかにしています。今回は、全日本プロレスの外国人ルートについて述べたことをご紹介します。



佐藤昭雄氏は、全日本プロレスのガイジンルートについてこう証言しています。

もともとジャイアント馬場はダラスのフリッツ・フォン・エリックをあてにしていたが、グレート小鹿がストップを掛けたため実現しなかった。

その見返りで、日本プロレスの最終シリーズは、会社に興行機能もなく選手会が主催したほどの末期的状態だったにも関わらずフリッツ・フォン・エリックを呼んだ。

そして、グレート小鹿は日本プロレスの中で評価を高くした。

アマリロのドリーファンク・シニアは、当時そこで仕事をしていたマシオ駒が話をして実現した。

マシオ駒の信用で話が通ったというのは、すでにジャイアント馬場の自伝などで明らかになっていますね。

ポイントは、グレート小鹿がストップをかけたこと。

これ自体は、企業防衛であり得ることと思いますが、アメリカでの転戦歴が長いグレート小鹿の手腕が垣間見えて興味深い気がしました。

フリッツ・フォン・エリックを呼んだときは、たんに呼んだだけではなく、インターナショナルタッグ選手権もさし上げてしまいましたね(パートナーはキラー・カール・クラップ)。

そのコンビは日本だけのものだったのでそのまま解散しましたが、その後タイトルがどうしてザ・ファンクスのものになったのか。

プロレスのタイトルというのは、NWA世界ヘビー級をのぞけば、興行が行われるオフィスが作ったもので、管理運営は当然そこが行うわけです。

つまり、日本プロレスのもので、それをフリッツ・フォン・エリックにあげてしまったわけです。

フリッツ・フォン・エリックは、どうやってそれをザ・ファンクスに譲渡したのか。

私の予想では、フリッツ・フォン・エリックが持ちかけたか、ジャイアント馬場が求めたのかわかりませんが、全日本プロレスが買い戻して、ザ・ファンクスに預けておいたのだろうと思うのですが、佐藤昭雄氏の話もそこまでは語っていません。

それはともかく、全日本プロレスは、当初、日本プロレスのブッカーであるミスター・モトや、ヒロ・マツダなどにもブッカーを断られていたといわれます。

常識的に考えれば、日本プロレスの息のかかった人に頼むのが無謀ではないかと思うのですが、それだけツテがなかったということでしょう。

ジャイアント馬場はレスラーとしての評判も悪くなかったと思いますが、さすがにプロモーターとしては未知数ですから、実績のある日本プロレスのオポジションになる勇気はどこもなかったのかもしれません。

その意味で、マシオ駒という人が、どれほど信頼が厚かったか、ということでしょうね。




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前回書きましたが、佐藤昭雄氏は、過去のいきさつから、大木金太郎の合流わジャイアント馬場は嫌だったのではないかと推理しています。

一方、途中で離脱した上田馬之助については、少なくともレスラーとしての相性は実は悪くなかったといいます。

前回の大木金太郎、今回の上田馬之助。誰かがジャイアント馬場のパートナーを務めていたら、ジャンボ鶴田のレスラー人生が変わっていたかもしれません。

コンビを組んでいた松岡巌鉄の評判が、当時の選手や関係者には良くないのですが、上田馬之助は、松岡巌鉄と離れればまた別のプロレス人生があったともいわれていますね。

もうひとつ、グレート小鹿の話では、日本プロレスが合流して選手が増えたため、子どもが生まれたばかりで日本を離れたくなかった自分がアメリカに行かざるを得なかったと書籍で述べています。

が、佐藤昭雄氏によると、選手が増えて上の方では使えないから、という話を受けて、グレート小鹿は自分からアメリカ行きを望み、ミツ・ヒライは前座でもいいとそれぞれ自分の意志で選択したと言っています。

佐藤昭雄氏は、アントニオ猪木除名事件の頃も振り返っていますね。昭和プロレスの新事実ですが、それは次回書きます。

Gスピリッツ Vol.25 (タツミムック)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 辰巳出版
  • 発売日: 2012/09/26
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