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上田馬之助と松岡巌鉄はどうしてジャイアント馬場に冷遇されたか

上田馬之助と松岡巌鉄はどうしてジャイアント馬場に冷遇されたか
この9レスラーの接点わかりますか。日本プロレス残党9選手です。全日本プロレスに合流する最初のシリーズのパンフレットの顔写真ですね。昭和プロレスファンとしては、一言述べたい画像です。この時点での、日本プロレスの格も表されていて興味深いですね。




日本プロレスが崩壊した時点で、タイトルホルダーは、大木金太郎がインターナショナル選手権、およびオールアジア選手権、高千穂明久がユナイテッドナショナル選手権、松岡巌鉄とグレート小鹿がアジアタッグ選手権をそれぞれ保持しており、上田馬之助は無冠でした。

正確に言うと、大木金太郎とのコンビでいったんはインターナショナルタッグ選手権を取ったものの、最後のシリーズでフリッツフォンエリック、キラー・カール・クラップ組に取られています。

あの、日本武道館のこけらおとし興行を満員にしたフリッツ・フォン・エリックとしては、インタータッグこそ日本における初戴冠だったのですが、それはともかくとして、冒頭の画像では、無冠でありながらも上田馬之助は、二段に並べられた顔写真で上に掲載されているのです。

そして、この画像は、パンフレットに、ゴム印で、その日のカードを押すページですが、ここでは、キャリア順なのか、大木金太郎、上田馬之助、松岡巌鉄がいちばん上に掲載されています。

昭和プロレス

でも、キャリアなら、ミツ・ヒライを上に持ってこなければならないですよね。

つまり、何をいいたいかといいますと、上田馬之助と松岡巌鉄は、全日本プロレスに合流してから冷遇されたといわれていますが、少なくとも合流時点での商品価値については、特に上田馬之助は全日本プロレスでは一定の評価を与えていたのではないか、ということです。

佐藤昭雄の最近のインタビュー(『Gスピリッツ Vol.25』)でも、ジャイアント馬場と上田馬之助は、少なくともレスラーとしての相性は実は悪くなかったといいます。

全日本プロレスの外国人ルートはマシオ駒の信用が決め手だった

大型コンビで、シュートが強いと言われる上田馬之助が吉村道明的役割を担う。

これはたしかに面白いコンビだったかもしれません。

ところが、ジャイアント馬場は、上田馬之助を冷遇した。

つまり、セミファイナルやメインエベントなどの後ろで使わず、しかも試合の出場自体を“間引き”した。

間引きは、お願いしてきてもらったザ・デストロイヤーや、これまでの実績から大木金太郎などは全試合組まれていますが、それ以外は全レスラーが、何試合かに1度は「おやすみ」しています。

ただ、上田馬之助と松岡巌鉄はそれが多かったということでしょう。

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上田馬之助の場合は、やはり猪木除名事件の時のしこりがあったのではないでしょうか。

上田馬之助はアントニオ猪木派です。

当時の定説としては、もともと会社の改革は上田馬之助がジャイアント馬場に話を持ちかけたが、様子がおかしかったのでジャイアント馬場に問い詰められると、上田馬之助は猪木の「乗っ取り」を白状して事件が発覚、ということでした。

馬場からすれば、自分が問い詰めなければ、自分は上田に騙されて猪木に利用されていたのだ、という意識があって当然です。

馬場としては上田馬之助は、レスラーとしての格や相性といった商品価値を度返ししても、人間的に容認できなかったのだろうと思います。

松岡巌鉄は、不条理なイジメなどを行うためレスラー間の評判が悪く、カブキの本によれば、とくに大熊元司との関係が悪かったそうです。

『“東洋の神秘”ザ・グレート・カブキ自伝』で知る昭和プロレス

松岡巌鉄はジャイアント馬場と同じ年齢であり、道場で若手を指導していたマシオ駒にとってもやりにくい存在のはずです。

私は、冷遇自体はやむを得なかったと思います。

進取の気性に乏しいジャイアント馬場が、日本テレビに言われたから不承不承全日本プロレスを作ったのに、今更やめた日本プロレスとどうしてまた一緒にやらなければならないのかと思って当然です。

ザ・デストロイヤーやサンダー杉山などに入ってもらい、マティ鈴木にも参戦してもらって戦力を整えつつあるのに、いまさら小姑のような日本プロレス勢に合流されても、その人たちとの兼ね合いがあって使い方が難しい。

日本プロレスのレスラーたちに対しては、旗揚げのときに来てくれなかったのに今更来られても、という気持ちもあるでしょう。←馬場は、そういうことをすごく根に持つタイプだと思います。

かといって、そっくり新日本プロレスに持っていかれるのは困る。

商品価値としては認めながらも、一緒にはやりたくない。

そんな複雑な気持ちが、冷遇にはあらわれているように思います。

昭和プロレス、奥が深いです。

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