大木金太郎とボボ・ブラジルでは、果たしてどちらが石頭だったんだろうか?という質問の投稿が、Facebookにありました。どちらも頭突きで一世を風靡したレスラーです。過去の対戦では、頭突きで決着がついた試合はなかったはずですが、私はボボ・ブラジル、という結論を出しています。
大木金太郎とボボ・ブラジル、どちらが石頭だったか?
大木金太郎派、ボボ・ブラジル派。
いろいろ意見はあると思います。
私は、1969年4月16日に、大阪府立体育館で行われた、ジャイアント馬場、大木金太郎組対ボボ・ブラジル、クリス・マルコフ組の試合で、答えは出ているのではないかと思いました。
この試合、2人が頭突き合戦をするシーンがあります。
最初は互角のように見えたのですが、ボボ・ブラジルのジャンピングヘッドバットで、大木金太郎はガクッと膝をつきました。
すると、ボボ・ブラジルは攻撃をやめ、次の大木金太郎の頭突きから逃げました。
観客は、大木金太郎の頭突きからボボ・ブラジルが逃げたと見たかもしれませんが、私は、人格者のボボ・ブラジルが、大木金太郎の商品価値を守ったのだなと解釈しました。
ジャンピングヘッドバットで、大木金太郎はガクッと膝をついたのです。
それなら、それを繰り返して、頭突き合戦に決着をつければいいはずです。
げんに、ボボ・ブラジルは、ジャイアント馬場からジャンピングヘッドバットでフォールを奪い、インターナショナル選手権を奪っています。
ジャイアント馬場にはできて、大木金太郎にはできない。
それは、大木金太郎はジャンピングヘッドバットでフォールを取られてはいけないレスラーだということを、ボボ・ブラジルは理解しているからでしょう。
スポンサードリンク↓
このシリーズは、第11回ワールドリーグ戦でしたが、大木金太郎は負傷という理由で、この後のボボ・ブラジル戦を不戦敗しています。
でも、このリーグ戦は、アントニオ猪木と坂口征二が参加し、アントニオ猪木が幸運に優勝したという結末にするため、日本陣営が僅差で好成績を挙げているのですが、大木金太郎は6勝2敗でした。
ジャイアント馬場、アントニオ猪木が6勝1敗1分ですから、大木金太郎はボボ・ブラジル戦をかりに引き分けでも並べたわけで、あの出たがりの大木金太郎の不戦敗はあまりにも惜しいというか不自然な気がしました。
その後も、大木金太郎はボボ・ブラジルと戦ってはいますが、ボボ・ブラジルがジャンピングヘッドバットで大木金太郎を仕留めるというシーンはありませんでした。
いちばん象徴的なのは、ジャイアント馬場離脱後の、インターナショナル選手権争奪戦で、ボボ・ブラジルが凶器を使って大木金太郎に勝った試合です。
いくら、ボボ・ブラジルがすでに下り坂に向かった時期だからといって、普通得意技がかぶる対戦なら、頭突き合戦で盛り上がってもいいはずです。
しかも、その次の試合では、大木金太郎が凶器で逆襲してチャンピオンになるという、「お前たちに頭突きレスラーの矜持はないのか」といいたくなるような展開でした。
大木金太郎とボボ・ブラジル 果たしてどちらが石頭だったか?
以上の経緯から、私はボボ・ブラジルという答えを出しました。
2016-06-19 00:00
nice!(3)
コメント(3)
トラックバック(0)
[編集]
共通テーマ:スポーツ
馬場だとおもいましたが、著書で「ブラジルの頭突きは『カチン』という感触、大木やブッチャーのは『ドスン』という感触がある。」みたいな事を読んだ覚えがあります。
なんかブラジルの方が「石頭」というよりも「鉄頭」っぽい気がしました。
大木は晩年、頭突きのやり過ぎで首の骨がくっついてしまい(頸椎の靱帯骨化症でしょうか?)、京城の病院で安静にしているしかない姿がテレビで放映されていました。
韓国では英雄ですが、子供達を前にして「キム爺さんの必殺技は何?」と、にこやかに語りかけると、子供達が一斉に「パチキ(頭突き)!」と答えていたのが印象的でした。
by ジャントニオ猪馬 (2016-06-19 21:23)
たしかに試合の映像を観ると、ブラジルが逃げたみたいですが、ガチンコの頭突き対決を避けたようにも思えます。大木は膝から崩れたとき、限界に来ていたのではないですか。マルコフのパンチはダメ押し気味な感じで、大木はすでに立っていられなかったのでは、と思えます。後の経過がずいぶんグロッキーですもの。どうでしょう。
大木でもう一つ。日プロの最期はアイアンクローシリーズですか。初戦で大木が顔面クローで血だるまにされたと聞きました。頭が固いはずなのに人間の指で割れるんだ、と妙に感心した覚えがあります。
*別掲の上田馬之助の思い出を書いたのはわたしです。無記名で失礼しました。
by あぶどら・ぶっち (2016-06-20 19:31)
体格と首の強さが違います…こと頭突きに関してはB・ブラジルの圧勝ですね。場外乱闘でブラジルの頭を
鉄柱にぶつけたら「グゥヲン!」という凄い音がしたのにケロッとした顔をしてましたから大木とは次元が違い過ぎます。大木は力道山の命令で無理やり頭突きを必殺技に仕立て上げた訳で別に頭が固かった訳ではありません。実際に大木はブラジルの頭突きを喰らって試合では我慢していましたが、あまりの痛さに控室で泣いております。ブラジルが頭突きで大木を倒してしまったら大木の存在価値・商品イメージは無くなってしまいます。「大木の石頭ってこの程度かよ!」その辺をブラジルは瞬時に判断したと思いますよ。
by 昭和プロレス (2017-02-13 01:58)